俯瞰生体システム工学とはなんぞや? 高いところから広く見下ろすことを俯瞰と言いますが、俯瞰生体システム工学という名称はちょっと分かりづらいかもしれませんね。そもそも生体とは人の身体のことを指していて、その働きを新しい計測技術によって隅々まで把握して健康維持に役立てようというのが、杉田研究室で取り組んでいる研究・開発テーマなのです。
社会における健康志向や予防医学の高まりを受けて、医療・福祉とITを融合した技術の研究開発が急速に進んでいます。生体の情報を常にモニタリングして正常な状態からの変化をいち早く検出することが、今後の健康社会を発展させる鍵を握っています。
本研究室では、先進の情報通信やセンシング技術を駆使してヒトの状態を把握し、これを医療や福祉に役立てるシステムについて研究を行っています。こうした研究は、実際の企業や医療・福祉関係者との連携を図りながら進めるものもあります。例えば、東北大学で開発された「足こぎ車いす」は、実際の使用現場で収集したデータに基づいて、製造している企業と連携しながら、より安全で使いやすくするための改良を行っています。
また、ディスプレイなどのヒューマンインターフェース機器の使用が生体に与える影響を詳しく調べ、これらの機器を安全に使うための基準作りに役立てる研究なども行っています。