専攻長挨拶

修了生の方へ

 専攻長の高橋です。修了おめでとうございます。ご存じのように世界的な新型コロナウイルス感染に対する対策として、本学としても全ての式典を中止することとなりました。皆さんにとって社会への一歩を踏み出す大事な時期に、このような事態となり大変残念ですが、社会的な状況を考えると致し方ないと思います。

 今回のウイルス感染の急速な拡大に見られるように、今の社会はどこに脆弱性が潜んでいるのか、予測することが極めて困難な時代になっています。一年前に誰が現在のような状況を予測できたでしょうか? IoT技術に代表される先端技術により世の中はますます便利になり我々の生活は豊かになっているように見えます。しかし同時に、システムが巨大化し複雑化し、その全体を俯瞰的に捉えることが極めて困難になってきています。今回の新型コロナウイルス感染の問題に関しても何が正解で何が間違いなのかは明確ではなく、事態がダイナミックに進展していく中で、その時点で最適な方策を見つけるは極めて難しく、ある意味不可能かもしれません。しかし、我々は不可能と諦めることなく最適ではないとしてもベターな解を探していかなければなりません。

 皆さんがこれから支えていかなければならない社会は、これまでのような単なるハードウエア技術的な視点だけでは、把握し、予測し、制御することが極めて難しいものになってきています。インターネットを通じて簡単に手に入れることができる膨大な情報も、その真偽を正しく見極めることができなければ、有効に活用することはできません。修了生の皆さんは、この技術社会システム専攻で学んだ文理融合的な視点を忘れずに、社会の発展に貢献していって頂きたいと思います。

Where there is a will, there is a way.

修了生の皆さんの門出を心から祝福します。

令和二年三月二十五日

                                          東北大学大学院工学研究科 技術社会システム専攻

                                                                             専攻長 高橋 信